家—アートにくらす—
高度成長期に都市郊外に建てられた分譲住宅は、大量供給、職住分離、核家族化等の要因に基づき、その多くは均一な外観デザインと生活スタイルの変化に呼応した住宅として建設された。そうした住宅地も40年〜50年経過し、経年劣化や設備、機能の遅れが目立つことから、近年サイディングやガルバニウム等、新素材での建て替え進み、逆に当時の建物が虫食い状態で残っている状況である。
今回展覧会(内覧会)「家 —アートにくらす—」展は、そうした高度成長期に建てられた分譲住宅で行なう。当時の建築も現在の木造軸組工法と大きく変わらないが、軒先の梁の塗装、伝統的な漆黒の黒瓦、ロールアウト法で作られた模様の入った窓ガラス、船底天井などに現代にはない意匠が数多く見られ、古民家とは違う魅力がある。
そうした、当時の魅力を活かしつつ、アート作品がコミットすることで、新たな生活風景を模索する事が本展覧会の目的である。
その視座は、「茶席における茶碗は、茶を飲む道具でありながら、鑑賞する作品であり、さらにコミュニケーションの媒体」であることにある。この活動は、そうした茶碗のあり方を住宅に用いることが可能か?についての実践研究である。
具体的には、金沢美術工芸大学油画専攻で絵画、インスタレーション、映像等を学ぶ9人の学生有志と教員1名が、住宅と一体化した作品を制作する。また今回家主さんの希望から実際に不動産会社を通じての販売を行う。(賃貸も検討)
展覧会(内覧会)期間
2016年3月20日〜3月31日
時間11:00〜18:00 期間無休
協力 加州興産、金沢R不動産