《sea vine-波打ち際にて-》

sea vine-波打ち際にて-》2019 瀬戸内国際芸術祭2019、香川
透光性磁器、照明

窓の外に見える瀬戸内海が室内で陶磁器の波に変容して、波打ち際として足下に広がります。打ち寄せる波は、瀬戸内海の浜辺に自生する、ハマヒルガオ、ハマオモト、ハマゴウ、ウンランや、男木島で見かけるスイセン等14種類の姿になっています。
 花の中一輪一輪の中には、ツバメチドリやオオハムなどの渡り鳥、アサギマダラ等海を越える生き物が飛び交うように釉薬で描かれ、蔓全体で繋がり遠望の瀬戸内海に包み込まれるように同化します。
 人が長く住まなくなった家屋に取り込まれる瀬戸内海の瑞々しい風景と、古民家および磁器だからこそ感じる事物の儚さを重ねることで、「移ろい、朽ち行く中に生成される新たな生気を帯びた風景」を作り出したいと考えています。