《山に遊んで仙を慕う》

《山に遊んで仙を慕う》2021「金沢美術工芸大学教員研究制作展」金沢21世紀美術館、石川

油絵具 パネルにキャンバス 照明  2600mm×1500mm

絵画による林泉(園林)の表現。絵画の平面性と装飾性、多視点の在り方を用いながら白山の高山植物十数種類が広がる林泉を表現した。ナビ派の絵画に見られる壁面の装飾性と、装飾に見られる形態の規則性と偶然性の組み合わせが、画面の大きさに捉われないフレームレスな拡張性と伸縮性を壁面にもたらす構図を意識した。また、絵画が自身を含む空間の内側と外側の境界としての壁を作り、その手前の空間を特徴づける機能に注目しながら、滝や崖を見上げるような垂直性(壁)を感じる構図でありながら、地面を水平に見るような鳥瞰図的視点をあたえることも意識した。白山の高山植物の在り様を感じながら、画面(林泉)の中で浮遊感を得ながら回遊する実感を得られるようにと考えている。